気がついたこと

まだ見ぬ子どものお母様に

これから出産を迎える、将来お母様になられる方は、妊娠初期の希望や期待から、出産が近づくにつれて育児に対する不安が増えていくのが普通です。お子様についての心配や、これからの育児についての心配や悩み、今いるお子様との関係で心配しているとか、お子さんのこんな状態の時にはどこに相談したらよいかとか、予防接種はどのようにすすめたら良いかとか 色々な不安に対して妊娠中から小児科医に相談できる制度を出産前小児保健指導事業(プレネイタル・ビジット)といい、今年度から四日市医師会でも始めます。私が中心となって、小児科医や産婦人科医の先生方と相談して、四日市方式を決めさせていただきました。産婦人科の先生に言っていただければ、紹介していただけます。医師会で負担しますので、相談料の自己負担はありません。是非 ご利用ください。

自我の芽生えた子どもの子育て

1歳台の子どもの特徴

自分のしたいこと、嫌なことがはっきりわかってきます。ほしいと思うとガマンしたり、待ったりすることが出来ません。嫌なことは、ぜったいしません。家族が大好きで、何でもまねたがります。お母さんがする掃除・食卓の準備・かたづけ・洗濯の手伝いをしたがるようになります。兄・姉と同じことをしたがり、同じものを欲しがります。公園で楽しく遊びはじめると、なかなか帰ろうとしません。思う通りにならないと、かんしゃくを起こして、床にひっくり返って抗議するかもしれません。このような子どもは、あなたのお子さんだけではありません。1歳台の子どもは、みんな同じです。安心してください。

楽しく自我をはぐくむ子育て

自我の芽ばえた1歳〜2歳台の幼児を、思う通りにさせようと企てるとことごとく失敗します。親の方がイライラして、かんしゃくを起こすことになりかねません。まず、子どもの気持ちに添うことから始めてください。子どもがやりたいことを見つけて、「ア−、ア−」と指差したら、子どもの気持ちを早くとらえて、いましている家事の手を止めてタイミングよく、しゃがんで子どもの目をみて、「○○ちゃんは、牛乳がほしいのね」と言葉をそえて応えて上げましょう。「△△しなさい」「ダメでしょ!」などの命令や禁止の言葉を使わず、「○○してみようね」「△△できるよね」と子どもの心に問いかけましょう。 もし「イヤだ」と言えば、「そう、イヤなの、じゃあ、あとでしてみようね」「やりたくなったら教えてね」と子どもの気持ちを尊重してあげましょう。子どもの気持ちを早く確認し、出来るだけ尊重してやると、子どもは喜び満足します。いろんなことに興味を持ち、好奇心が旺盛になり、やる気が育ちます。このような子育ては、子どもを甘やかしているのではなく、子どもの自我を育てているのです。このように子育てをしていると子どもの気持ちがよくわかり、子どもの発達がよく見えてきます。「積み木を5個積めたね」、「ワンワンとニャンニャンの区別ができたね」と子どもの発達を見守り、自我をはぐくむことはとても楽しいことです。

年齢に合った制限を設ける

子どもの行動を尊重しながら、軌道修正してあげることも大切です。公園で自由に遊ばせていても、急に道路に飛び出そうとしたときには、大きな声で「ダメ!」と叫ばなければなりません。家の中で危ない物に触ろうとしたら、すぐその場から抱きかかえて引き離すか、子どものそばに行き、目をじっと見て「あっ、ちっ、ちっ、触れないのよ」と説明しましょう。父親の書類や兄の大事なオモチャで遊ぼうとしたら、「パパの大事、大事、遊べないよ」などとその行動を制止し、「ほら、このボール楽しいよ」と別の遊びにさそいましょう。お母さんに時間の余裕がまったくない時には、「今は遊べないよ、ごめんね」といって、さっとすべきことをしてしまいましょう。

自制心と創造する心を育てる

子どもの自我を育む子育てをしていると、子どもの心の中に安心と満足がいっぱいたまります。でもまだ、1歳児はやりたいことがガマンできません。もう少し待ってあげましょう。2歳児は、満足がいっぱいの心の中で「少し待ってもいいかな、ガマンできるかな?」と自分の欲望を自制する心を、少しづつめばえさせていきます。心をこめて無心に「少し待ってくれる、ガマンできるよね」と問いかけると、あるとき「いいよ」と応えてくれるでしょう。幼児の心に自制心が芽生えた瞬間を目撃することは、子育ての喜びのひとつです。そして、子どもの自我を認め育てることが、なんでも自分で考え、積極的に行動し、新しいことを創造する人間を育てる土台になります。

弟・妹の出生

はじめに

次の赤ちゃんが生まれることは、家族にとっても喜びに満ちた幸せな出来事に違いありません。しかしお兄ちゃんやお姉さんが、必ずしも新しい弟妹を自然に素直に受け入れられるようになるわけではありません。母親が次の子を妊娠し出産が近づくと、上の子が甘えて母親を困らせることが良くあります。順調に育っていた子が急におっぱいを欲しがったりすることもあります。イリングワースは『ノーマルチャイルド』の中で、生まれた赤ちゃんに対する年上の子の嫉妬の表現として、抱っこされている赤ちゃんの頭を殴ったり、騒ぎ立てるだけでなく、乳児の行動に逆戻りして、再び指しゃぶりをし、おねしょをし、食べさせてもらいたがり、赤ちゃん言葉で話し、抱いてくれとせがみ、物を壊したり、再び反対癖になると述べております。年上の子は、両親の愛情が赤ちゃんばかりに向いて、自分名g十分に愛されていないと感じると、あらゆる手段を用いて自分に両親の注意を向けさせようとします。このような年上の子どもの行動を、赤ちゃんをたたく悪い子、甘えん坊になり手がかかる、わがままで言うことを聞かない、乱暴で手に負えない子などと誤って解釈して、きつくしかったり、お仕置きをしたり、拒否したりすると、年上の子は両親の愛情失ったと思い込み、ますます不安になり嫉妬心を深めます。さらに赤ちゃんに対して敵意を抱いたり復讐心を持つまでになります。『赤ちゃんはいらない、死ねばいい』と言って、絵本の中の赤ちゃんをすべて黒く塗りつぶした女児がいました。一方母親も、手がかかり、言うことを聞かない兄姉に対して愛情がなくなり、愛せなくなることもあります。祝福されるべき次のこの誕生が育児上重大な問題にならないように、家族の十分な理解と準備が必要です。

妊娠がわかった時〜初めての対面

  • 赤ちゃんの絵の載っている絵本を見せながら、『赤ちゃんがおなかの中にいるよ。生まれたら一緒に遊ぼうね。楽しいよ。何して遊ぼうか?』と上の子に話しかけたり、一緒に赤ちゃんの服を買いにいたりして、上の子が赤ちゃんを受け入れる心の準備をする手助けをしてあげてください。
  • 出産が近づくと、お母さんは、無意識のうちにお腹の赤ちゃんに気持ちが移りがちになります。こんな時、上の子はお母さんの気を引こうと一生懸命になります。甘えたり、わがままを言ったり、赤ちゃん返りをしたりするのはそのためです。その気持ちをしっかりと受け止め、甘えさせてください。
  • お産時に、誰が上の子の面倒をみるかは、大きな問題です。できる限り上の子が一番好きで、安心できる人にお世話をしてもらってください。
  • 上の子が初めて赤ちゃんと対面する時、お母さんは赤ちゃんを抱かずにベッドの上に置き、上の子を抱っこしてください。そして『お兄ちゃん(お姉ちゃん)はいい子だね、大好きよ』と愛情を示しながら、『お兄ちゃん(お姉ちゃん)、弟(妹)の○○ちゃんよ、始めまして』と紹介してあげてください。
  • 出産の前後には、新しい習い事をしたり、排泄のしつけを始めたり、幼稚園に通い始めたり、赤ちゃんのために寝る場所を変えたりするのは、上の子の心の負担になるので避けたほうがいいですよ。もし必要な時は、早めに済ましておくか、赤ちゃんとの生活に慣れてからにしてください。
  • 赤ちゃんが生まれて家に帰ったら
    赤ちゃんが家に帰ってくる日は、両親も祖父母も赤ちゃんを迎える準備で忙しく、上の子は家の隅に追いやられがちになります。上の子の心が傷つかないように注意してください。
  • 家族の誰もが、上の子を抱いて愛情を示してから赤ちゃんを抱くように心がけ、少なくとも上の子が家族から見向きもされていないと感じるような状況にはならないように注意してください。
  • 実家の両親や友達が、赤ちゃんのお祝いで訪れる時は、前もって、『先にお兄ちゃん(お姉ちゃん)に挨拶してあげてね』と御願いしておくといいですよ。
  • 会話が赤ちゃんのことばかりにならないように、時々お兄ちゃん(お姉ちゃん)も会話に入れてあげてください。

上の子の気持ちを知る

  • 赤ちゃんとの共同生活が始まった後の、上の子の心理状態を把握するには、小児科医は二つの質問をすることがあります。一つ目は『お兄ちゃん(お姉ちゃん)はお世話を焼きたがりますか?』です。二つ目は『お兄ちゃん(お姉ちゃん)は甘えますか? やきもちを焼きますか?』という質問です。『上の子はお世話をやりたがるし、甘えて、又やきもちを焼きます』と答えるお母さんが多いものです。
  • 上の子がお世話を焼きたがるとはっきりいって邪魔になりますよね。でも上の子の(小さい子の世話をしたいという)心が芽生えているわけですから、感謝してよく褒めてあげてください。安全で、心配の無い係り(オムツやガーゼを持ってくる等)をさせてください。又事故が起きないように『こうしたほうが喜ぶよ、危ないから抱っこはこうしてね』と教えながら見守ってください。
  • 赤ちゃんにおっぱいを与えるとき、上の子は一番やききもちをやきます。赤ちゃんにおっぱいを与える前に上の子としっかり遊んであげてください。そして『赤ちゃんにおっぱいを上げていいかな?』と聞いてあげてください。もし『イヤ』といったら、もう少し遊んであげてください。また上の子にガーゼを持ってきてもらったり、赤ちゃんの手を握らせてあげたりして、お母さんと赤ちゃんの輪の中に入れてやると、上の子はとても喜ぶし安心します。
  • 上の子が赤ちゃんをたたくときは、お母さんにもっとかまって欲しい場合が多いです。また親がしつけで上の子をたたくと、上の子は親からされたことをそのまま赤ちゃんにする場合があります。

上の子の心を育てる

  • 上の子が赤ちゃんを良くかわいがり、ひどい嫉妬もなく順調に育っていても、さらによく育つ援助をすることが大切です。
  • お出かけの準備やおやつを与える時は、『お兄さん(お姉さん)が一番、赤ちゃんは二番ね』と話しかけながらすると、上の子は母親から大事にされ愛されていると感じるでしょう。
  • 短い時間でもいいですから、上の子と二人だけの時間を作り、一緒に遊び『大好きよ』と愛情の表現をしてあげてください。これは年が離れていても基本は同じです。年が離れている場合は、お兄ちゃん(お姉ちゃん)が赤ちゃんだったときのことを具体的に話してやると、お兄ちゃん(お姉ちゃん)はとても喜びます。
  • 下の子が兄(姉)のおもちゃを欲しがり、兄(姉)がそれを拒んだ時は『お兄(姉)ちゃんのおもちゃで遊びたいのね。でもお兄(姉)ちゃんが大事にしているおもちゃだから遊べないよ。こっちのおもちゃで遊ぼう。』と下の子の気持ちを汲みながら、上の子の気持ちを尊重してください。若し貸してくれたら『お兄(姉)ちゃんは優しいのね』と褒めてください。
  • 上の子の気持ちを大事にすることの意味を理解し実行しているお母さんでも、上の子ばかり相手にして赤ちゃんがかわいそうと感じませんか?『赤ちゃんは、おっぱいを与え、オムツを買え、時々抱っこをして声をかけてあげていることで十分満足しています。赤ちゃんはお兄(姉)さんが話しかけると喜びますし、誕生日くらいになるとお兄(姉)ちゃんの後を追ったり、真似ばかりするようになります。その時にお兄ちゃんの心が安定し満たされていますと、下の子を良く受け入れてくれます。下の子はお兄(姉)ちゃんのまねをしてすくすく育ちます。』

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