■予防接種の説明

昔の指導と大きく違ったこと(昔は逆でした)

1)予防接種直後に注射部位を揉むのは止めましょう。
2)予防接種を受けた当日の入浴はかまいません


◆予防接種についての私のアドバイス

大切なことを四つ
1)
生後3ヶ月になったら直ちに三種混合(DPT)ワクチンを
2)
三種混合(DPT)を2回したら、BCG接種を
3)
1歳の誕生日になったら直ぐに(誕生日当日でも良い)麻疹・風疹2種混合予防接種を
4)
生ワクチン接種後は抗体検査を受けることをお勧めします。
5) 接種してから時間が経てば、どのワクチンも抵抗力は必ず下がります。
追加接種等を受けることをお勧めします。
進め方は

生後3ヶ月になったら直ちに三種混合(DPT)ワクチンを接種します。3〜4週後や4ヶ月健診のときに2回目を、その後1週間あけてBCGワクチンを受けましょう。BCG接種後4週間以上あけて、第3回目の三種混合(DPT)ワクチンを受けます(三種混合のI期追加は3回目から1年〜1年半後です)。その後1週間以上開いたら今度はポリオの第1回目を受けましょう。その後6週間を空けて、2回目のポリオを受ける、これが理想の進み方です。

BCGワクチン接種は平成17年4月1日から生後直ぐから生後6ヶ月以内に接種すると法律が改正されました。生後6ヶ月以降の定期接種は認められなくなりました。

そこでBCG接種を最初に受けるように勧められる方もおいでだと思います。しかし免疫不全の病気をもったお子さんにBCG接種をしますと死亡したりすることがあります。免疫不全のお子さんを生後3ヶ月までに診断することは困難なこともあり、免疫不全のお子さんでも安心して接種できる三種混合(DPT)ワクチンを最初に接種するようにお勧めするのです。2回目を接種すると生後4〜5ヶ月になると思います。その頃までには免疫不全のお子さんは色々な症状を呈し、病気を疑うことができます。この1〜2ヶ月はそれだけ大切な時間です。免疫不全のお子さんは少ないこともあり、問題になることは少ないとは思いますが、より安全な道を選びたいと思います。

しかしこのごろから病気に罹りやすくなりますので、理想の様に進まないこともよくあります。大切なことは1歳にあったらすぐに麻疹・風疹2種混合ワクチンを受けると言うことです。

ポリオは病気自身は日本にはありませんし、世界でもあるところが少ないですので、後回しにしても結構です。またポリオは1回目と2回目の間隔はいくら空けても(大げさに言えば、1年でも2年でも)大丈夫です。

1歳になってすぐに麻疹・風疹2種混合ワクチンを受けましょう。その後にもしポリオを受けるときは4週間空けましょう。そしてDPTのI期の追加がそろそろ順番(I期の初回の3回目から1年〜1年6ヶ月の間です)として出てきます。ポリオの2回目は風疹、DPTの追加の後でも結構です。

定期接種は3歳過ぎの日本脳炎ワクチンまでありません。その間におたふくかぜ(ムンプス)ワクチンや水痘ワクチンを受けることをお勧めします。特におたふくかぜワクチンは絶対お勧めです。おたふくかぜという病気は怖い合併症が多いからです。

3歳過ぎたら日本脳炎ワクチンを受けましょう。平成18年3月現在日本脳炎ワクチンの接種は勧奨されていません。しかし日本にはこの病気は少ないですが、東南アジアや台湾、中国には多いです。外国でかかって亡くなるケースもありますので、親の判断で希望者には接種できることになっておりますので、接種を受けることをお勧めいたします。

以下に定期接種の模範的な勧め方を書いて見ます。でもあくまで模範です。相手は生身の人間ですからこんなうまくいくとは限りません。順調に進まないときは、悩まないで何でもご相談ください。

3ヶ月 DPT I 期1回目 1歳5ヶ月 DPT I 期追加
4ヶ月 DPT I 期2回目 3歳2ヶ月 日本脳炎1回目
4〜5ヶ月 BCG 3歳3ヶ月 日本脳炎2回目
6ヶ月 DPT I 期3回目 年長児 麻疹・風疹2種混合2回目
7ヶ月 ポリオ1回目 小4 日本脳炎 II 期
9ヶ月  ポリオ2回目 小6 DT(二種混合)
1歳 麻疹・風疹2種混合ワクチン

予防接種間の間隔(予防接種には大きく分けて二つの種類があります。)

不活化ワクチン

三種混合(DPT)、日本脳炎、インフルエンザ、A型、B型肝炎ワクチン

生ワクチン
麻疹・風疹2種混合、ポリオ、水痘、おたふくかぜ(ムンプス)、BCG

原則として不活化ワクチン同士または不活化ワクチンから生ワクチンへは1週間、生ワクチン同士または生ワクチンから不活化ワクチンへは4週間あける必要がある。

下記の図は予防接種間の最低の間隔である。(一部可能な週数を勧めの週数に変更してある。)
次 回 受 け る 予 防 接 種
三種混合 二種混合 麻疹風疹
2種混合
日本脳炎 BCG おたふく 水痘 インフルエンザ ポリオ
三種混合 3 3 1 1 1 1 1 1 1
二種混合 3 1 1 1 1 1 1 1 1
麻疹・風疹2種混合 4 4 4 4 4 4 4 4 4
日本脳炎 1 1 1 2 1 1 1 1 1
BCG 4 4 4 4 4 4 4 4 4
おたふく 4 4 4 4 4 4 4 4 4
水痘 4 4 4 4 4 4 4 4 4
インフルエンザ 1 1 1 1 1 1 1 2 1
ポリオ(経口) 4 4 4 4 4 4 4 4 6

◆予防接種ガイドライン
http://www.biken.or.jp/guide/guide.html
◆武田薬品薬品工業HP 予防接種ワクチンの説明
http://www.takeda.co.jp/pharm/jap/vaccine/index.html

◆麻疹(はしか)・風疹2種混合ワクチン

1歳の誕生日を過ぎたら直ぐに受けましょう。1歳のお誕生日お祝いに麻疹・風疹2種混合ワクチンを接種してあげてください。集団生活をしている児又はこれからする児は生後9ヶ月頃に麻疹ワクチンの接種を受けて下さい(自費接種になります)。この場合、お母さんからの免疫の影響でワクチンの付きが充分でない場合がありますので、1歳半頃に定期の予防接種を受けて下さい(公費負担で無料)。ガンマグロブリンの注射を受けたことがある場合には、注射後3ヶ月以上たってから麻疹・風疹2種混合ワクチンの接種を受けて下さい。接種した95%以上の人が免疫を獲得できます。

お母さんが妊娠中でもお子さんは受けることができます。
<副反応>

麻疹成分による副作用

接種後は体の中でワクチン株が増えますので、接種して5〜10日間に約10〜20%のお子さんに発熱、または発熱と発疹などの症状が出現します。通常は1〜2日で自然に治りますので、心配ありません。接種後5日以内の発熱と接種後10日以上経ってからの発熱はワクチンとは関係ありません。ただ、7日目でも他の感冒等の病気の可能性がありますので診察を受けにお出でください。

風疹成分による副作用

子供の風疹は軽いので、ワクチン接種でも重篤な副反応は殆どありません。小学生の高学年以上の女性が受けると2〜3週間後に関節痛を訴えることがあります。

血小板減少性紫斑病の発生が100万人に1人報告されています。
<神経系合併症の頻度>
麻疹の自然感染では,急性脳炎は千人に一人、亜急性硬化性全脳炎(SSPE) は六万人に一人の頻度で起きます。ワクチン接種では、急性脳炎は百万人に一人以下,亜急性硬化性全脳炎(SSPE) は百万人に0,9人の頻度で起きます。

<有効率> 日本では1回しか接種しないので、97〜98%です。即ち、接種しても100人に2〜3人は抵抗力(抗体という)がつきません。


◆DPT三種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)ワクチン

不活化ワクチンなので、充分な抗体獲得と免疫の維持には決められた接種回数と間隔を守ることが重要です.生後3ヶ月になったら直ぐに、I期の初回の3回の接種を3〜8週間隔で受けましょう。8週間以上の間隔があいた場合でもきちんと受けて下さい。

I期初回3回目の接種後、12〜18ヶ月後にI期の追加の接種を受けて下さい。

II期は小学校6年生のときに2種混合(DT)を接種します。
<副反応> 発熱は殆どが第I期の初回1回目に認められます。他の時期の接種には殆ど認められません。1回目が3〜4ヶ月に行われたときには殆ど発熱も認めません。注射部位の腫脹、硬結や発赤は、I期の初回1回目は1週後に認めることがあります。I期の初回2回目は多くは接種後3日後(早いと翌日)、3回目とI期の追加及びII期は接種当日または翌日に認めることがあります。II期ではまれに,上腕全体が腫れることがあります。それでも心配ありませんのでとくべ特別な処置は必要ありません。数日以内に自然と落ち着きます

<有効率> 殆どI期の初回3回接種を受けると、殆ど100%と考えてよいでしょう。



◆DT二種混合(ジフテリア・破傷風)ワクチン

3種混合ワクチンの接種前に百日咳にかかってしまったお子さんは、2種混合ワクチン(DT)を接種します。


三種混合接種と受け方や副反応は変わりません。




◆日本脳炎ワクチン
日本脳炎の流行がない北海道を除き、不活化ワクチンなので、充分な抗体獲得と免疫の維持には決められた接種回数と間隔を守ることが重要です。第I期、II期、III期と三回接種する必要があります。通常第I期は生後6ヶ月〜90ヶ月の間に、基礎免疫として3回の接種を受けます。通常は、3歳になったら1〜4週の間隔(できたら4週間)で2回、4歳になったら1回の接種を受けます。これで基礎免疫が完了です。その後は5年間隔で第II期と第III期を受けます。

流行地では3歳未満で接種を受けた方がよい場合がありますが、接種するワクチン量は半分になります。第II期は通常9〜12歳(四日市市では小学校5年生に通知がいく)に1回追加接種を受けます。

生後90ヶ月(7歳半)から9歳までと13歳は対象年齢からはずれますので、公費による接種を受けられません。この年齢で接種する場合には任意接種扱いになって自費になります。
<副反応> 重篤な副反応は殆どありません。


◆流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス)ワクチン
流行性耳下腺炎ワクチンは任意接種で、希望者に方にだけ自費で接種をおこなっています。1歳を過ぎれば接種できますが、麻疹ワクチンと風疹ワクチンの接種を受けて、その4週間後に接種を受けましょう。但し、流行期にはこの限りではありませんので、御相談下さい。もっともおたふくの人に接触してから予防接種をしても間に合いませんので、早めの接種をお勧めします。

<副反応> 一番強い副反応は無菌性髄膜炎です。接種した8000人に一人くらいの割合で起こすことがあります。接種後2週から3週の間に、頭痛、発熱、嘔吐をきたします。もし病気にかかると、そのときの無菌性髄膜炎は250人に1人以上の確率で起こりますし、その程度も病気のほうが重症で,脳炎等を起こすこともあり、予防接種を受けることをお勧めする理由です。他に、耳下腺の腫れや痛み(疼痛)を訴えることがあります。通常、数日以内に消失します。
<有効率> 大体90%位です。ですから100人注射すると10人くらいはつきません。接種後1ヶ月位したら抗体検査(抵抗力を調べる)を受けることをお勧めします。


◆水痘(みずぼうそう)ワクチン
接触してからでも(但し2日以内)間に合う唯一の予防接種です。任意接種で、希望者に方にだけ自費で接種をおこなっています。1歳を過ぎれば接種できますが、麻疹、風疹、おたふくかぜのワクチン接種以降に受けることをお勧めします。

<副反応> 殆どありません。

<有効率> 97〜98%位です。




◆BCGワクチン

BCG接種は、結核菌に対する抗体を作らせるのが目的ではありません。結核に対する免疫は、Tリンパ球とマクロファージを主体とした細胞性免疫によるものです。

というのも、結核菌は細胞内に寄生しますので、細胞内に入ることができない抗体による体液性免疫(他のワクチンは水痘を除き、この液性免疫による)は、通常役立たないからです。体内に入ったBCGはまず貪食細胞で食され、抗原情報がTリンパ球にいき、リンパ球はBCGの抗原で感作されます。BCGと結核菌とは共通のタンパク質をもっていますので、BCGに感作されたリンパ球は結核菌そのものの抗原で感作されたと同じ能力を持つようになり、結核菌に遭遇したときに備えます。このあと結核菌の感染がおこると、このリンパ球が増殖して、貪食細胞を活性化します。そして、この細胞が結核菌を効率よく食べて、殺菌します。

  1. BCG接種を受けても発病を100%防げるわけではありませんが、結核性髄膜炎や粟粒結核等の小児の重い結核に対する発病予防効果はきわめて高く、80〜90%程度防ぐことができる。

  2. 肺結核や胸膜炎に対する発病予防効果はこれよりやや劣るが、BCG接種者では発病率は50%以上低くなる。

<副反応>

接種後2〜3週間で接種局所に赤いポツポツができ、一部に小さくうみをもったりします。通常1〜2ヵ月でかさぶたができて治ります。これは異常な反応ではなく、むしろBCGがついた証拠です。

ときに(約1%)わきの下のリンパ節が腫れることがあります。出現時期は接種後4〜6週間後が多いです。大きさは大きくても2cm程度で、ほとんどが何もしないで2ヵ月程度で縮小、消失します。通常は放置して様子をみるだけでかまいませんが、3cm以上になるとか、化膿してうみがでたりしたら、受診してください。

平成17年4月1日からツベルクリン反応検査が廃止されて、直接BCGを接種するようになりました。ツベルクリン反応は結核にかかっていないかの検査で、陰性に方にのみBCGを接種していたのです。結核の患者さんが減ったためにツベルクリンを省いても良いだろうということで省略されました。しかし逆に全員にBCG接種するということになって、結核患者にBCG接種する可能性が極く僅かですが出てきました。そのときの反応をコッホ現象と言います。詳しい説明はBCG接種時に図を使って説明させていただきます。

ごく稀ですが、重大な副反応として、全身播種性BCG感染症、骨炎(骨髄炎、骨膜炎)、皮膚結核様病変(狼瘡、腺病性苔癬など)の報告もあります。
<有効率> 他のワクチンのように有効率とは言いませんが、痕がいくつ残ったかが重要です。 針の穴のような痕が18個ついていれば一番良いのですが、15個以上が合格です。


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