■白色便性下痢症(乳児嘔吐下痢症)


ロタウィルスが引き起こすウィルス性胃腸炎で、日本では毎年冬から春にかけて流行します。

便が白色又はクリーム色になるので白色便性下痢症といい、昔は脱水症での死亡率が高かったので、赤痢に対して白痢と言われて恐れられていた疾患です。


症状

突然の発熱と嘔吐で始まることが多い。嘔吐は病初期に見られることが多く、発熱はあっても1〜2日です。その後見られる下痢は水様性で、色は白色又はクリーム色で酸臭(甘酸っぱい臭い)がします。下痢はひどいと1〜2週間くらい続きます。便が酸臭になったときは二次的な乳糖不耐症になり、ミルクの中の乳糖が消化されないで乳酸になったときですので、直り始めると便が黄色く色がつき始めます。乳幼児では頻回の嘔吐を伴ったときや、1日10回以上の下痢をして重症になる場合もあり、その時には入院が必要になることもあります。

乳幼児では白色(またはクリーム色)の便になりますが、年長児や大人では下痢も少なく、腹痛や嘔気、食欲がないだけのこともあります。昔は大人にはうつらないと言われていたのですが、今では感染することがはっきりしています。

潜伏期

48時間以内です。                                                

合併症

脱水症が一番多い。痙攣も多く認められる。
治療

原則的には感染性胃腸炎と同じ治療法です。原理は脱水を防いで、小腸の粘膜の再生(消化酵素が多く含まれる)を待つことです。                                      整腸剤、下痢止め、吐き気止めのお薬をお出しします。頻回の嘔吐のときは注射をすることがあります。また注射がいやな方は吐き気止めの座薬を使用したり、漢方薬の五苓散をお湯に溶いて肛門から入れる(注腸といいます)と嘔吐は止まります。五苓散をお湯にといて飲ませても効果があります。それでも吐き続ける時や嘔吐と下痢が一緒に来て脱水が強い時には、水分、電解質、糖質の補給のために外来で点滴します。外来での点滴でも嘔吐が止まらないとき、脱水が中等症以上のとき、下痢が頻回で通常の治療に反応しない時には入院治療が必要になることもあります。

予防注射

現在のところありません。

下痢症(感染性胃腸炎や白色便性下痢症)のときの食事療法

お家では吐き気が強い間は、しばらくは(最低30分間以上)何も飲ませないでください。その後は、まず水分(アクアライト、番茶、お湯、お味噌汁の上澄み、実が入っていないコンソメの野菜スープ・・・・ポタージュはいけません)を少しずつ飲ませてください。1回量は少なく(はじめは50mlくらい、その後嘔吐が無ければ100ml、200mlと量を増やしてください)、回数を多くしてください。乳幼児用のイオン飲料(アクアライト等)は点滴と組成が同じです。嘔吐が止まって水分が飲めるようになったら、ミルク又は牛乳からはじめるのですが、母乳でしたらそれがベストの飲料です。母乳をやめてミルクにする必要は全くありませんし、一日一回でも母乳を飲ませているときは必ず飲ませて下さい。1回でも母乳を飲ませると、直りも速く、下痢の慢性化も防ぐことができます。これは私の経験でも実証済みです。その経験とは、3ヶ月以上下痢が治らない乳児に、母親は母乳が出ないためにもらい乳をして他人の母乳を一日20ml飲ませ始めたら数日後からだ下痢が良くなってきて治った例を経験しています。母乳栄養以外のときで、便が酸臭が強いときは乳糖不耐症になっていますので、ミルクは乳糖の入っていない“ラクトレス”とか大豆乳の“ボンラクト”等の下痢用のミルクに変更してください。又は通常のミルクを与えたいときは乳糖分解酵素の飲み薬を併用します。下痢が良くなってきたら(回数が一日3〜4回になってきて、便にブツブツや粘り気が無くなり、粘土のようにスムーズになったら次のステップに行きましょう。離乳食を食べていた児は離乳食を再開しましょう。そのときの進め方は便と相談しながらですが、離乳食の進め方と同じようにしていけばよいと思います。まずは炭水化物(どろどろのおかゆ、じっくり煮込んでつぶしたウドン、パン粥)、次にたんぱく質(白身の魚、豆腐、卵、鶏肉のささみ、)を加えておじや状態にし、それでも便性が変わらなかったら野菜類を加えていく順序で良いと思います。脂肪(バター等)分を食べさせるのは一番最後です。
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