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心因性疾患増加の要因
遊び時間が少ない、就寝時間が遅い、父親と話をする時間が少ない、親が育児経験に乏しい、仕事を持つ母が増えている、住宅が狭く子どもが干渉されやすい、近隣の交流が乏しいなど種々の要因があげられています。原因らしい要因がはっきりしないことがほとんどですが、年々強くなるストレス社会が、もともと神経症的素因を有したり、極軽度の脳障害を有する子どもに影響している場合があります。日常の診療では、周産期に何らかの異常をきたすようなエピソードがあったり、神経学的検査、脳波、CTスキャン・MRI検査などでつい見過ごしてしまわれる程度の異常がみられることがあります。
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心身症
チック、睡眠障害(夜驚症、夢中遊行など)、排泄障害(神経性頻尿、遺尿、遺糞)、摂食障害(神経性食思不振症、過食)、周期性嘔吐症、過呼吸症候群、気管支喘息、起立性調節障害、過敏性大腸症候群、心因性腹痛、分離不安、ヒステリー、神経症、頭痛、肥満、不登校(登校拒否)などがいわれていますが、一部が心身症で、生理的なものや体質的なもの、アレルギー疾患、神経症、うつ病まで幅が広いものです。
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神経性食欲不振症(厚生省特定疾患神経性食欲不振症調査研究班)
症状:
(1)標準体重の-20%以上のやせ
(2)やせがある時期に始まり、3ヶ月以上持続する
(3) 発症年齢:30歳以下
(4) 女性
(5) 無月経
(6) 食行動の異常(不食・多食・かくれ食い)
(7) 体重に対する歪んだ考え(やせ願望)
(8) 活動性の亢進
(9) 病識が乏しい
除外規定:
(A) やせを来す器質性疾患
(B) 精神分裂病, うつ病, 単なる心因反応。
鑑別を必要とする疾患:
汎下垂体機能低下症、脳腫瘍、糖尿病、甲状腺機能低下症, 亢進症、消化器疾患、精神分裂病、うつ病、神経症, 心因反応。 |
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摂食障害にみる身体症状
全身倦怠、睡眠障害、起立性調節障害、便秘の他、低血圧、低体温、徐脈、皮膚乾燥、脱毛、うぶ毛密生、口角炎、るい痩、無月経、貧血、二次性徴遅延、下肢浮腫、肝・腎障害、腹水など多彩な症状がみられます。脱水、骨量減少、低身長等もみられることがあります。低カリウム(K)血症で筋力低下をきたし、トイレで立ち上がれなくなったり、廊下で倒れたり、心嚢液貯留、不整脈や心停止をきたしたり、けいれんをおこしたりや自殺企図など危険な場合があります。過食や嘔吐によって歯の腐食、齲歯、浮腫、胃炎・食道炎、手指の吐きダコなどがみられます。最近は、うつ状態や強迫神経症に良く効く薬が開発されましたので、精神科、神経内科、小児科、小児神経などの専門医に早く相談されることをおすすめします。
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登校拒否症の初発症状
約半数が発熱を訴えて受診しますが、その他、頭痛、腹痛、悪心、嘔吐、疲労感、関節痛、下肢の症状、めまい等が多い症状です。血液、肝機能等の生化学検査、炎症反応等のスクリーニング検査で身体疾患が発見されることがあります。あるいは、少し不器用とか腱反射が亢進しているなどで頭部コンピューター断層撮影や磁気共鳴画像でごく軽度の脳障害などの異常がみつかることがあります。無理をして周囲にあわせようとして、二次的に疲れ切って不登校の症状をきたしている場合があります。
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登校拒否児の家庭や生活
家庭では、母親の過干渉、父親の無関心、家庭内の問題などがよくみられます。日常生活では、習い事、塾、クラブ活動等で疲れている上、寝る時間が遅いことが多いようです。学校生活は、いじめなど友達関係のトラブルが多く、先生が厳しすぎる場合もあります。
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不登校の診断
精神分裂病、 対人恐怖症、ヒステリー、強迫性障害、摂食障害、てんかん、学習障害、その他の身体疾患による二次的障害を区別します。家族の急死や転校などによる一時的な心因反応のことがあります。勉強や学校がいやなことからおこっている怠学は、心理的な原因との境界線をどこでひくのかむずかしい場合がしばしばです。 |
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「文化の病」としての不登校
河合隼雄先生は、不登校を、明治以来、日本が西洋に追いつこうと必死に頑張ってきた結果としての、「文化の病」としてとらえておられます(河合隼雄. 精神療法 1993;19:505-9)。日本が西洋先進国にようやく、追いついてきた頃に、産業革命以来の大量生産構造がいきづまってきたことを反映しているのではないかという考え方です。現在を辛抱してがんばれば、大多数の人に輝かしい未来が保障されるという成長社会を信じて、がむしゃらに頑張った末、子どもも親も疲れ切ってしまい、体に不調を訴えていると考えられます。実際、こどもたちと話していますと、心理的に疲れ切り、方向性を見失いがちな、大人社会を反映していると感じます。休息の時間をとって、何もしない時間を十分持つようにしていると、一時的に幼児化することがしばしばありますが、そのうち、徐々にしたいことをしはじめて、未来に目を向けだすようになっていきます。過去のような、親の期待や世間にあわせすぎたきまじめな自分ではなく、弱い部分も認め、新たな自分と向きあえるようになっていきます。時間はかなりかかり、数か月から1年、あるいは1年以上を要することがあります。性格的には、親子とも、きまじめな人が多いので、遊び心が重要なことをお話しています。
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カウンセリングの実際
現状をよくきいて、受け入れ、わかってあげることが大事です。しんどさやつらさが理解できれば、なぐさめの言葉も自然にでてくると考えられます。好き嫌いをききだすことができれば、そのことから子どもの個性にきずくことが多いものです。例えば、絵が好きな子どもでは、周囲の大人もびっくりようなよい色で描いた絵、あるいは上手な漫画などをみて、自然にほめる言葉がでてくるようなら、子どもの笑顔もみられるようになり、回復のきっかけになってくるものです。キャッチボール、手伝い、魚釣り、サイクリング、スキー、犬の散歩などな何でもよいのですが、行動が外へ向かいだすとよくなることが多いようです。家庭や仕事の上での親の辛さをききだせる場合もあり、聞いているうちに親の緊張がとれることが、子どもにとってもよい場合があります。
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