三原クリニック 小児科・アレルギー科

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予防接種について

水痘ワクチンの定期接種化について

10月から始まると思われる水痘ワクチンの定期接種化について、情報をお送りします。

水痘ワクチンの接種対象および接種方法

【対象年齢】
  • 生後12月から生後36月にいたるまでの間にある者
【接種方法】
  • 乾燥弱毒性水痘ワクチンを使用し、合計2回皮下に接種する。3月以上の間隔を置くものとし、接種量は毎回0.5mlとする。
【標準的は接種間隔】
  • 生後12月から生後15月に至るまでに初回接種を行い、追加接種は初回接種後6月から12月に至るまでの間隔をおいて1回行う
【経過処置】
  • 生後36月から生後60月に至るまでの間にある者を対象とし、1回接種する。但し、平成26年度限りとする。
【その他】
  • 既に水痘に罹患したことのある者は接種対象外とする
  • 任意接種として既に水痘ワクチンの接種を受けたことがある者は、既に接種した回数分の接種を受けたものとみなす。

昔の指導と大きく違ったこと(昔は逆でした)

  1. 予防接種直後に注射部位を揉むのは止めましょう。
  2. 予防接種を受けた当日の入浴はかまいません。

総論

大切なことを7つ
  1. 生後2ヶ月になったら肺炎球菌ワクチンとHibワクチンとロタウイルスワクチンの1回目を接種する
  2. 生後3ヶ月になったらHibワクチンと肺炎球菌ワクチン、ロタウイルスワクチンの2回目と四種混合(DPT-IPV)ワクチン又は三種混合ワクチン(DPT)+ポリオ不活化ワクチン(IPV)の1回目を全部同時接種で
  3. 四種混合ワクチン(または三種混合+ポリオ不活化ワクチン)の3回目をしたら、BCG接種を1歳までに受けること(乳児の重症結核感染症を防ぐにはなるべく早く接種すること)
  4. 2~7ヶ月に開始した肺炎球菌ワクチンは1歳未満に3回を完了すること
  5. 1歳の誕生日になったら直ぐに(誕生日当日でも良い)麻疹・風疹2種混合(MR)ワクチンと肺炎球菌ワクチンの追加を同時接種で
  6. 生ワクチン接種後2ヶ月したら、抵抗力ができたかどうかの抗体検査を受けることをお勧めします。生ワクチンは100%つくということはありませんので。
  7. 接種してから時間が経てば、どのワクチンも抵抗力は必ず下がります。追加接種等を受けることをお勧めします。
進め方は

生後2ヶ月になったらHibワクチンと肺炎球菌ワクチンとロタウイルスワクチンの同時接種を受けましょう。 生後3ヶ月になったらHibワクチンと肺炎球菌ワクチンとロタウイルスワクチンの2回目と四種混合ワクチン(または三種混合ワクチン+ポリオ不活化ワクチン)の1回目を接種します。
3~4週後や4ヶ月健診のときにHibワクチンと肺炎球菌ワクチンの3回目と四種混合ワクチン(または三種混合ワクチンとポリオ不活化ワクチン)の2回目を、その後1週間あけてBCGワクチンを受けましょう。BCG接種後4週間以上あけて、第3回目の四種混合ワクチン(または三種混合ワクチンとポリオ不活化ワクチン)を受けます。四種混合ワクチン(または三種混合(DPT)ワクチンとポリオ不活化ワクチン)のI期追加は3回目から1年~1年半後です)。 生後2ヶ月でのHibワクチンと肺炎球菌ワクチンとロタウイルスワクチンの同時接種が受けられなかったときは、生後3ヶ月から四種混合ワクチン(または三種混合(DPT)ワクチン、ポリオ不活化ワクチン)と同時にHibワクチンと肺炎球菌ワクチンとロタウイルスワクチンの接種をしましょう。 BCGワクチン接種は平成25年4月1日から生後直ぐから生後12ヶ月以内に接種すると法律が改正されました。ですから4種混合ワクチンの3回目を接種してから1歳未満にBCGを接種することも可能です。しかし乳児の重症結核感染症を防ぐにはなるべく早く接種することが望ましいと思います。
そこでBCG接種を最初に受けるように勧められる方もおいでだと思います。しかし免疫不全の病気をもったお子さんにBCG接種をしますと死亡したりすることがあります。免疫不全のお子さんを生後3ヶ月までに診断することは困難なこともあり、免疫不全のお子さんでも安心して接種できる四種混合ワクチン(または三種混合ワクチンとポリオ不活化ワクチン)や肺炎球菌ワクチンとHibワクチンとロタウイルスワクチンを最初に接種するようにお勧めするのです。2回目を接種すると生後4~5ヶ月になると思います。その頃までには免疫不全のお子さんは色々な症状を呈し、病気を疑うことができます。この1~2ヶ月はそれだけ大切な時間です。免疫不全のお子さんは少ないこともあり、問題になることは少ないとは思いますが、より安全な道を選びたいと思います。BCG接種は一時6ヶ月までに接種と制限されていました。確かに結核の重症感染症予防には良かったのですが、早期接種で結核性骨髄炎の症例が報告され、12ヶ月まで延長されたものです。 生後5ヶ月以上になりますと病気に罹りやすくなりますので、理想の様に進まないこともよくあります。大切なことは1歳になるまでに早期から肺炎球菌ワクチンとHibワクチンの接種を行い1歳未満で3回接種を完了しておくことです。そして1歳になったら」すぐに麻疹・風疹2種混合ワクチンを受けると言うことです。1歳になってすぐに麻疹・風疹2種混合(MR)ワクチンを受けましょう。そしてHibワクチンやDPTの追加がそろそろ順番として出てきます。 それ以降 定期接種は3歳過ぎの日本脳炎ワクチンまでありません。その間におたふくかぜ(ムンプス)ワクチンや水痘ワクチンを受けることをお勧めします。特におたふくかぜワクチンは絶対お勧めです。おたふくかぜという病気は怖い合併症が多いからです。 3歳過ぎたら日本脳炎ワクチンを受けましょう。しかし日本にはこの病気は少ないですが、東南アジアや台湾、中国には多いです。外国でかかって亡くなるケースもありますので、接種を受けることをお勧めいたします。 以下に定期接種の模範的な勧め方を書いて見ました。でもあくまで目安です。相手は生身の人間ですからこんなうまくいくとは限りません。順調に進まないときは、悩まないで何でもご相談ください。

2ヶ月 肺炎球菌ワクチンとHibワクチンとロタウイルスワクチン
3ヶ月 四種混合ワクチン(DPT-IPV)(またはDPTとポリオ不活化ワクチン)のI期1回目、Hibワクチンと肺炎球菌ワクチンとロタウイルスワクチンの2回目
4ヶ月 四種混合ワクチン(または三種混合(DPT)ワクチンとポリオ不活化ワクチン)I期2回目とHibワクチンと肺炎球菌ワクチンの3回目
4~5ヶ月 四種混合ワクチン(または三種混合(DPT)ワクチン、ポリオ不活化ワクチン)I期3回目
6ヶ月 BCG
1歳 麻疹・風疹2種混合(MR)ワクチンと肺炎球菌ワクチンの追加
1歳5ヶ月 四種混合ワクチン(または三種混合(DPT)ワクチンとポリオ不活化ワクチン)I期追加とHibワクチン
3歳 日本脳炎1回目
3歳 1ヶ月 日本脳炎2回目
年長児 麻疹・風疹2種混合2回目
9歳~13歳未満 日本脳炎II 期
小6 DT(二種混合)
小6~高1 子宮頚がんワクチン

各論

不活化ポリオワクチン

ポリオ(小児まひ)の予防接種が平成24年(2012年)9月1日から、生ワクチンから不活化ワクチンに切り替わりました。移行期には、それまでに子どもがどのワクチンを何回接種したかによって、今後の不活化ワクチンの接種回数が違ってきます。保護者の方がスケジュールを管理する上で、必要なポイントをまとめてみました。 不活化ワクチンはポリオウイルスの病原性をなくし、免疫を作る成分だけを取り出して製造されています。生ワクチンと違って、ポリオを発症する恐れがありません。 生ワクチンは2回、口から一滴ずつ飲むだけだったのですが、不活化ワクチンは皮下注射を4回打つ必要があります。また、多くの市区町村では、個別に医療機関で不活化ワクチンを接種しています。無料で通年、接種できます。

4種混合ワクチン(DPT-IPV)または三種混合ワクチン(DPT)とポリオ不活化ワクチン(IPV)

不活化ワクチンなので、充分な抗体獲得と免疫の維持には決められた接種回数と間隔を守ることが重要です.生後3ヶ月になったら直ぐに、I期の初回の3回の接種を3~8週間隔で受けましょう。8週間以上の間隔があいた場合でもきちんと受けて下さい。I期初回3回目の接種後、12~18ヶ月後にI期の追加の接種を受けて下さい。II期は小学校6年生のときに2種混合(DT)を接種します。

接種時期と接種回数

生後3か月から接種できます。3~8週間隔で3回、3回目の約1年後(6か月後から接種可能)に4回目を接種します。

副反応

発熱は殆どが第I期の初回1回目に認められます。他の時期の接種には殆ど認められません。1回目が3~4ヶ月に行われたときには殆ど発熱も認めません。注射部位の腫脹、硬結や発赤は、I期の初回1回目は1週後に認めることがあります。I期の初回2回目は多くは接種後3日後(早いと翌日)、3回目とI期の追加及びII期は接種当日または翌日に認めることがあります。II期ではまれに,上腕全体が腫れることがあります。それでも心配ありませんのでとくべ特別な処置は必要ありません。数日以内に自然と落ち着きます。殆どI期の初回3回接種を受けると、殆ど100%と考えてよいでしょう。

麻疹(はしか)・風疹2種混合(MR)ワクチン

MRの1回目は

1歳の誕生日を過ぎたら直ぐに受けましょう。1歳のお誕生日お祝いに麻疹・風疹2種混合ワクチンを接種してあげてください。集団生活をしている児又はこれからする児は生後9ヶ月頃に麻疹ワクチンの接種を受けて下さい(自費接種になります)。この場合、お母さんからの免疫の影響でワクチンの付きが充分でない場合がありますので、1歳半頃に定期の予防接種を受けて下さい(公費負担で無料)。ガンマグロブリンの注射を受けたことがある場合には、注射後3ヶ月以上たってから麻疹・風疹2種混合ワクチンの接種を受けて下さい。接種した95%以上の人が免疫を獲得できます。お母さんが妊娠中でもお子さんは受けることができます。

MRの2回目は

小学校入学の前年すなわち年長児(5歳~6歳児)で行います。

<副反応>

(1)麻疹成分による副作用
接種後は体の中でワクチン株が増えますので、接種して5~10日間に約10~20%のお子さんに発熱、または発熱と発疹などの症状が出現します。通常は1~2日で自然に治りますので、心配ありません。接種後5日以内の発熱と接種後10日以上経ってからの発熱はワクチンとは関係ありません。ただ、7日目でも他の感冒等の病気の可能性がありますので診察を受けにお出でください。
(2)風疹成分による副作用
子供の風疹は軽いので、ワクチン接種でも重篤な副反応は殆どありません。小学生の高学年以上の女性が受けると2~3週間後に関節痛を訴えることがあります。血小板減少性紫斑病の発生が100万人に1人報告されています。

<神経系合併症の頻度>

麻疹の自然感染では,急性脳炎は千人に一人、亜急性硬化性全脳炎(SSPE) は6万人に1人の頻度で起きます。ワクチン接種では、急性脳炎は百万人に1人以下,亜急性硬化性全脳炎(SSPE) は百万人に0,9人の頻度で起きます。

<有効率>

日本でもやっと2回接種ですので、98~99%です。即ち、接種しても100人に1~2人は抵抗力(抗体という)がつきません。

DT二種混合(ジフテリア・破傷風)ワクチン

二種混合ワクチンの中には、「ジフテリア菌」、「破傷風菌」の2種類の菌が作る、それぞれの毒素が入っています。0.1mlの少量を接種します。

破傷風について

傷風菌は、酸素を嫌う性質を持ち、土や泥の中に住んでいます。ヒトらヒトへと感染するのではなく、土や泥で汚れた傷口から感染します。菌そのものは、傷口の中で増えるだけですが、運動神経細胞をおかす、毒素を作り、この毒素が血液に混じって全身にばらまかれ激しい症状が起こります。運動神経が異常に興奮するため、口が開かなくなり、けいれんをおこし、最後には呼吸ができなくなり、約70%の方が死亡する恐ろしい病気です。破傷風は、現在の日本では年間約80人程度の届け出しかない病気ですが、怪我などにより、感染する機会は常にある病気ですから、きちんと予防しましょう。

ジフテリアについて

ジフテリア菌は、のどや鼻などの上気道に感染し、毒素を作ります。毒素は、感染を起こした部分の組織を死滅させ、偽膜と呼ばれる白い膜を形成します。偽膜が声帯のそばまでひろがると、強い気道狭窄を起こし、窒息をひき起こします。またジフテリア毒素が血流にのり心臓を攻撃し、心不全や不整脈を起こします。ジフテリアは、2000年の日本では、1名しか届け出のない病気です。ロシアでは1990年よりジフテリアの大流行が起こっています。この時は、流行初期に予防接種の対策が遅れ、旧ソ連に属した国全体に流行が拡大してしまいました。1990-1995 年の間に、約125,000 人の患者が発生し、4,000 人以上が死亡しています。

小学校6年生のDTワクチン

生後3ヶ月から行う三種混合ワクチンによって「基礎免疫」をつけます。さらに、小学校6年生で、二種混合ワクチンを接種します。小学校6年生で、これまで三種混合を1回も接種したことがない方は今回,二種混合(Ⅱ期)を接種することはできません。基礎免疫が不十分な場合(Ⅰ期に三種混合を0~2回接種もしくは,二種混合を0~1回接種)今回,二種混合を1回接種しても,追加免疫の獲得は期待できません。基礎免疫をつけるためには,二種混合では0.5mlを3回接種する必要があります。しかし,10歳以上の方にジフテリア・破傷風ワクチンを0.5ml接種した場合,強い局所反応が生じる恐れがあります。破傷風単味であれば0.5mlの接種が可能ですので,破傷風単味の予防接種を規定回数(0.5ml×3回)接種し,破傷風に対する基礎免疫をつけることをお勧めします。

<副反応>

接種部位の腫れです。腫れに気づいても放置してかまいません。

日本脳炎ワクチン

日本脳炎の流行がない北海道を除き接種が必要です。不活化ワクチンなので、充分な抗体獲得と免疫の維持には決められた接種回数と間隔を守ることが重要です。第I期、II期、III期と三回接種する必要があります。通常第I期は生後6ヶ月~90ヶ月の間に、基礎免疫として3回の接種を受けます。通常は、3歳になったら1~4週の間隔(できたら4週間)で2回、4歳になったら1回の接種を受けます。これで基礎免疫が完了です。その後は5年間隔で第II期と第III期を受けます。 流行地では3歳未満で接種を受けた方がよい場合がありますが、接種するワクチン量は半分になります。第II期は通常9~12歳(四日市市では小学校5年生に通知がいく)に1回追加接種を受けます。 生後90ヶ月(7歳半)から9歳までと13歳は対象年齢からはずれますので、公費による接種を受けられません。この年齢で接種する場合には任意接種扱いになって自費になります。

<副反応>

重篤な副反応は殆どありません。

おたふくかぜワクチン

おたふくかぜワクチンは任意接種で、希望者に方にだけ自費で接種をおこなっています。1歳を過ぎれば接種できますが、麻疹ワクチンと風疹ワクチンの接種を受けて、その4週間後に接種を受けましょう。但し、流行期にはこの限りではありませんので、御相談下さい。もっともおたふくの人に接触してから予防接種をしても間に合いませんので、早めの接種をお勧めします。

<副反応>

一番強い副反応は無菌性髄膜炎です。接種した8000人に1人くらいの割合で起こすことがあります。接種後2週から3週の間に、頭痛、発熱、嘔吐をきたします。もし病気にかかると、そのときの無菌性髄膜炎は250人に1人以上の確率で起こりますし、その程度も病気のほうが重症で,脳炎を起こすこともあり、予防接種を受けることをお勧めする理由です。他に、耳下腺の腫れや痛み(疼痛)を訴えることがあります。通常、数日以内に消失します。

<有効率>

大体90%位です。ですから100人注射すると10人くらいはつきません。接種後1ヶ月位したら抗体検査(抵抗力を調べる)を受けることをお勧めします。

水痘(みずぼうそう)ワクチン

接触してからでも(但し2日以内)間に合う唯一の予防接種です。任意接種で、希望者に方にだけ自費で接種をおこなっています。1歳を過ぎれば接種できますが、麻疹、風疹、おたふくかぜのワクチン接種以降に受けることをお勧めします。

<副反応>

殆どありません。

<有効率>

97~98%位です。

BCGワクチン

BCG接種は、結核菌に対する抗体を作らせるのが目的ではありません。結核に対する免疫は、Tリンパ球とマクロファージを主体とした細胞性免疫によるものです。というのも、結核菌は細胞内に寄生しますので、細胞内に入ることができない抗体による体液性免疫(他のワクチンは水痘を除き、この液性免疫による)は、通常役立たないからです。体内に入ったBCGはまず貪食細胞で食され、抗原情報がTリンパ球にいき、リンパ球はBCGの抗原で感作されます。BCGと結核菌とは共通のタンパク質をもっていますので、BCGに感作されたリンパ球は結核菌そのものの抗原で感作されたと同じ能力を持つようになり、結核菌に遭遇したときに備えます。このあと結核菌の感染がおこると、このリンパ球が増殖して、貪食細胞を活性化します。そして、この細胞が結核菌を効率よく食べて、殺菌します。

  1. 1.BCG接種を受けても発病を100%防げるわけではありませんが、結核性髄膜炎や粟粒結核等の小児の重い結核に対する発病予防効果はきわめて高く、80~90%程度防ぐことができる。
  2. 2.肺結核や胸膜炎に対する発病予防効果はこれよりやや劣るが、BCG接種者では発病率は50%以上低くなる。

<副反応>

接種後2~3週間で接種局所に赤いポツポツができ、一部に小さくうみをもったりします。通常1~2ヵ月でかさぶたができて治ります。これは異常な反応ではなく、むしろBCGがついた証拠です。ときに(約1%)わきの下のリンパ節が腫れることがあります。出現時期は接種後4~6週間後が多いです。大きさは大きくても2cm程度で、ほとんどが何もしないで2ヵ月程度で縮小、消失します。通常は放置して様子をみるだけでかまいませんが、3cm以上になるとか、化膿してうみがでたりしたら、受診してください。平成17年4月1日からツベルクリン反応検査が廃止されて、直接BCGを接種するようになりました。ツベルクリン反応は結核にかかっていないかの検査で、陰性に方にのみBCGを接種していたのです。結核の患者さんが減ったためにツベルクリンを省いても良いだろうということで省略されました。しかし逆に全員にBCG接種するということになって、結核患者にBCG接種する可能性が極く僅かですが出てきました。そのときの反応をコッホ現象と言います。詳しい説明はBCG接種時に図を使って説明させていただきます。
ごく稀ですが、重大な副反応として、全身播種性BCG感染症、骨炎(骨髄炎、骨膜炎)、皮膚結核様病変(狼瘡、腺病性苔癬など)の報告もあります。とくにBCGによる骨髄炎の報告が多くなったのと6ヶ月以内の制限のために接種できない児が多かったために、BCG接種年齢が12ヶ月まで延長されています。

<有効率>

他のワクチンのように有効率とは言いませんが、痕がいくつ残ったかが重要です。針の穴のような痕が18個ついていれば一番良いのですが、15個以上が合格です。

Hibワクチン

インフルエンザ菌感染症とは

インフルエンザ桿菌というのを聞いたことがありますか?これは、インフルエンザウィルスとは全く異なるヘモフィルス・インフルエンザ桿菌と呼ばれる細菌で、髄膜炎菌、肺炎球菌と並んで乳幼児の感染症を引き起こす三大病原体の一つです。中でもインフルエンザ菌は、治療が困難な化膿性髄膜炎を発症させる確率が最も高い病原体として問題となっています。この菌は、鼻の奥に潜んでおり、健康な子どもでも5~10%くらいは保菌していると言われています。インフルエンザ菌には、いくつかの種類がありますが、乳幼児の重症髄膜炎や肺炎などの呼吸器疾患、菌血症(細菌が血液の中に入って全身にばら撒かれる病気)の原因となるのが、b型インフルエンザ桿菌です(略してHibと呼ばれています)。国内では推定で年間約600人がHib感染症を発症しており、罹った児の5%が死亡、25%に後遺症(聴覚障害やてんかん等)が出ると報告されています。特に多いのが5歳未満で、その約半数が1歳未満の乳児です(下記の表を参照)。新生児では母親からのもらった抵抗力(移行抗体という)に守られているため発症は少ないのですが、3~4か月になると移行抗体が消失し、罹る率が高くなります。乳児期からの集団保育では、特に注意が必要です。2~3歳からは徐々に自然免疫が発達し、あるいは不顕性感染(症状が出ないで抵抗力だけできること)により、抗体を獲得することで発症率は低下し、5歳を過ぎると発症しなくなります。(出典:砂川慶介 他:感染症学雑誌80(1)、27-38、2006より)特に乳幼児の場合は、はじめの症状は胃腸炎に似ているため診断が難しいために治療が遅れたり、Hibの薬剤耐性化が年々高くなっているため、早期診断したとしても治療が難しく、最悪の場合は死に至るケースもあります。

Hibワクチンの有用性

Hib感染症を予防する最も有効な方法は、ワクチンを接種することです。欧米では、すでに1987年からインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンの定期予防接種を導入し、髄膜炎の患者が100分の1に激減するなど効果の高さが確認されており、100カ国以上でワクチンが使われています。一方、日本ではワクチンの必要性に対する認知が遅れ、先進国の中で唯一ワクチン未承認のままになっていました。しかし、日本でもようやくインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンが許可されることになりました。平成25年4月1日から定期接種に組み込まれました。小児科医としては乳幼児の重症髄膜炎を防ぐ唯一の有効な手段であるワクチンの接種が進むことを願っています。Hibワクチンを受けられる方へよくある質問にお答えします。

Hibワクチンを受けられる方へ よくある質問にお答えします。

どのように受ければいいですか
生後3ヶ月になったら、三種混合ワクチン(DPT)と同じ日に接種(同時接種と云います)するのが一番良いです。
なぜ、接種回数は7ヵ月まで3回、7ヵ月から1歳まで2回、1歳から1回なのですか?
Hib菌は多くのお子さんの鼻や喉にいて、ときどき血の中に入ってきますが、抗体がしっかりあれば増えにくいです。その抗体が成長と共に多くなっていきます。そのため、抗体が少ない小さな子にしっかり抵抗力をつけるために接種回数が多く必要なのです。
今6ヵ月なので7ヵ月(あるいは、今11ヵ月なので1歳)まで、待ってもいいですか?
なんとも言えませんが1-2週なら、待っている間にHib髄膜炎にかかる確率は低いのではないかと思いますが、できるだけ早く回数も許されるかぎり多く受けたほうがいいと考えます。
副作用はどうですか?
日本では初めて導入されるワクチンですが、世界ではおなじワクチンが14年間1億5000万回接種されており、Hibワクチンに起因する重篤な副作用は報告されていないとのことです。

具体的な接種時期

接種開始時期によって、接種回数やタイミングが異なります。

初回接種が2~7ヶ月未満の時

初回:通常、3回、いずれも4~8週間の間隔で皮下注射します。(ただし、医師が必要と認めた場合には、3週間の間隔で接種することも可能です)。1歳までに3回接種が完了していないといけません。
追加:初回接種終了後7ヶ月~13ヶ月に行います。

7ヶ月~12ヶ月未満で初回接種

初回:通常、2回、いずれも4~8週間の間隔で皮下注射します。(ただし、医師が必要と認めた場合には、3週間の間隔で接種することも可能です)
追加:初回接種終了後7ヶ月~13ヶ月に行います。
初回接種が1~5歳未満の時
通常、1回のみ接種します。
他の生ワクチンのあとでは27日間、不活化ワクチンとの間隔は6日間開ければ接種できます。Hibワクチン後は6日間開ければ他のワクチンは接種可能です。

TSE(伝染性海綿状脳槽)にかかる危険はないのですか?
800万年に1回起こるか起こらないかと言う確率だそうです。イギリスではHibワクチンの説明のさいに、この様なことを言ってはいけないとなっているそうです。新幹線のきっぷを買うときに、理論的に脱線転覆することがありますって言われますか?さらに、その説明を受けたかというサインをしますか?界保健機構(WHO)が定期接種にしなさいと勧告しているのに10数年も認可しなかった日本の厚労省が、多分問題が起こったときに副作用について隠していたと自分たちの責任を追及されないようにするために、この様なことを説明の上、接種するようにと決めたのではないかと思います。Hib髄膜炎にかかる危険性と較べるまでもないと考えます。
Hibワクチンは、皆さん注射していますか?
今年(2008年)の12月19日に日本で初めて発売されます。そのため、日本では治験で接種した方と並行輸入で接種した方だけです。しかし、世界では100ヵ国以上のこどもたちが接種しています。
同時接種は大丈夫ですか?
医学的には問題有りません。副反応が強く出ることもありません。また、DPTなどの公費接種と同時接種し、万が一、健康被害が出た場合、同時接種の場合も救済すると銘記されえていないので、予防接種法による救済が受けられないとの意見がありますが、予防接種法には同時接種のさいに救済しないとも書いていません。実際、単独接種の場合でも因果関係が不明で救済しています。明らかにHibワクチンによる健康被害と認定されないかぎり、同時に接種したDPTなどの定期接種による健康被害の可能性があるとして、予防接種法による救済がされないわけはないと考えます。
小児肺炎球菌ワクチン

小児の肺炎球菌感染症(細菌性髄膜炎など)の予防のワクチンです

接種開始の年齢 接種回数 接種スケジュール
生後2か月~7か月未満 4回 1回目から4週(中27日)以上の間隔で2回目
2回目から4週(中27日)以上の間隔で3回目
生後12-15か月に4回目
生後7か月~1歳未満 3回 1回目から4週(中27日)以上の間隔で2回目
2回目から60日以上あけて12-15か月に3回目
1歳~2歳未満 2回 1回目から60日以上の間隔で2回目
2~5歳未満 1回 1回のみ
標準の接種スケジュールは次の通り

2か月から開始して、4週(中27日)間隔で3回受け、1歳を過ぎたら追加接種を1回受ける。
お勧めの接種スケジュールと同時接種
2か月でヒブワクチンと同時接種で開始して、3か月からはヒブワクチン、三種混合(DPT)ワクチンとの同時接種で7か月までに最初の3回接種が終わり、その後追加接種を行う。
本院では3種同時接種が可能です

ワクチンの効果と安全性

小児肺炎球菌ワクチンは世界の約100カ国で承認され、すでに41カ国で定期接種に導入されているワクチンです。ヒブワクチンと同時接種をすることで、細菌性髄膜炎予防に非常に有効です。極めて安全性が高く、効果が高いワクチンですので、一日も早い承認、定期接種化が望まれます。このワクチンもWHO(世界保健機関)が最重要ワクチンの一つとして、低開発国を含めてすべての国で、国の定期接種にすべきだと勧告しているものです。病気が重いだけでなく、早期診断が難しいので、受けられる年齢になったらすぐに接種します。

ロタウイルスワクチン(ロタリックス)

冬季に流行するロタウイルスによる胃腸炎で毎年脱水症を起し入院や入院しなくても外来で点滴注射を受ける乳児が非常に多いです。この胃腸炎は便が白くなることで知られ、昔は白色便性下痢症と呼ばれ、赤痢に対して白痢として恐れられた病気です。そのロタウイルスによる胃腸炎を予防するワクチンが開発され、発売されました。このワクチンを導入した国では胃腸炎での入院が激減しており、十分な効果が期待できます。わが国でもやっと発売されることになりました。ただ、乳児早期に接種を開始しなければいません。生後18週になるとワクチンが安全であるとの証明が世界中の情報でもありません。それですから接種計画を立て、遅くとも生後2ヶ月から他のワクチンと同時接種をしながら接種を早期に完了しましょう。ぜひ小児科医にご相談の上、きちんとしたワクチン接種計画を立てて接種することをお勧めします。

ロタリックスの接種

  1. 1回目は生後6週から12週の間に接種を完了すること
  2. 4週以上の間隔で、1回1.5mlを2回内服服用
  3. 1回 15,000円です

ロタテックの接種

  1. 1回目は生後6週から12週の間に接種を完了すること
  2. 1回量2.0mlを1回目接種後4週間隔で2回接種すること
  3. 1回 9.000円です
子宮頸がんワクチン(ガーダシル・サーバリックス)

サーバリックス 子宮頚癌を起こす6種類のヒトパピローマウイルス(HPV)のうち高リスクの16型と18型に対するワクチンですガーダシル 子宮頚癌を起こす6種類のヒトパピローマウイルス【HPV】のうち高リスクの16型と18型、および低リスクの6型と11型に対するワクチンです。

【ワクチン接種は】

初交開始年齢前に注射するのが一番良いと言われています。だから海外では12歳前後の小児に対する優先的な接種が行われています。日本人女性の初交歴は都市部でも地方でも、70%以上は高校生時代ということを考慮すると、遅くとも中学卒業前までにサーバリックスかガーダシルを接種するのが良いのではないかと思います。海外での12歳前後での接種を日本でも実施するのが良いとおもいます。では何歳まで接種できるかと言うと、制限はありませんが、最高60歳くらいまででしょうか?

【用法・用量】

平成25年4月1日から小学校6年生から高校1年生までが定期接種の対象者になりました。3月31日までの対象者の高校2年生は対象から外れましたのでご注意ください

サーバリックス

1回目、2回目(1回目の1ヶ月後)、3回目(1回目の6ヶ月後) 通常、1回0.5mLを上腕の三角筋部に筋肉内接種する。

ガーダシル

1回目、2回目(1回目の2ヶ月後)、3回目(1回目の6ヶ月後) 通常、1回0.5mLを上腕の三角筋部に筋肉内接種する。

用法・用量に関連する接種上の注意

他のワクチン製剤との接種間隔:生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上、また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種すること。

副反応

このワクチンは接種中~接種後の注射部の疼痛を殆どの患者さんが訴えられます。特にサーバリックスは痛みがひどく、翌日には腕が上がらなくなったり、注射部位に長期にわたって痛みを訴えられると報告されており、私はサーバリックスの注射をやめております。